研究代表者名 | 若月 利之 | 研究組織 | 4人 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
所属機関・部局・職 | 島根大学・生物資源科学部・教授 | 所属機関所在地 | 松江市 | |||
研究課題名 | 西アフリカの食糧増産と劣化環境修復のための集水域生態工学 | |||||
研究の概要等 |
過去16年、JICA研究協力や科研、あるいは国際熱帯農業研究所(IITA)の支援も受けながら、ナイジェリアのギニヤサバンナ帯、ガーナの森林移行帯集水域をベンチマークサイトとして、低地における各種水田稲作とアップランドにおける各種の混作とアグロフォレストリー技術を農民参加により実証し、特に、低地における水田生態工学技術がこの地の劣化集水域を修復するカギとなることを明らかにしてきた。水田開発は高機能の湿地造成であり、集水域生態系修復のカギとなる本研究では「水田仮説」(低地における水田の単位面積当たりの持続的生産性は畑作地の10倍以上である)を「地質学的施肥プロセス(集水域の森林畑地よりの低地への物質フロー)」の評価も加えて証明し、今後50-100年で、アフリカにおける2000万haの水田開発と、それによる食料増産を背景に、2億haの森林再生プログラムを提案したい。又、最近、有機物資源を安定で高機能な腐植物質に転換する技術のプロトタイプを本研究グループが開発した。これは有機物の急速な分解がネックとなっていた熱帯圏の畑土壌の修復のための革命的な技術になり得る。我が国はTICAD(東京アフリカ開発会議)を主催しているが、本研究の成果を生かして、地球環境保全と南北格差を是正しながら、新しい地球社会を創るために行うべき、21世紀の日本の国際貢献の中核活動(日本のアイデンティティの確立のために)の一つとしたい。
|
|||||
当該研究課題と関連深い論文・著書
(研究代表者のみ) |
廣瀬昌平・若月利之編著「西アフリカサバンナの生態環境の修復と農村の再生」農林統計協会、1997年
Hirose and Wakatsuki, ed. "Restoration of Inland Valley Ecosystems in West Africa", Nourin-Toukei-Kyoukai, 2002 |
|||||
研究期間 | 平成15年度〜平成19年度(5年間) | |||||
研究経費 (間接経費を除く) |
平成15年度 | 平成16年度 | 平成17年度 | 平成18年度 | 平成19年度 | 合計 |
22,700 千円 | 17,000 千円 | 16,200 千円 | 15,700 千円 | 15,700 千円 | 87,300 千円 |
Fig. 1. Two benchmark watersheds in Ghana and Nigeria countries with major ethnic groups in West African
Fig. 2. Watershed Ecological Engineering: Integration of Forestry and Sawah in a unit Watershed. Sawah is a functional constructed wetland.
Fertile topsoil formation in forest ecosystem and sedimentation of eroded topsoil in lowland Sawah are the Geological Fertilization Process. The geological fertilization and well known biophysico- chemical processes under the submerged irrigated Sawah enhance the intensive sustainable productivity of Sawah system. As the results one hectare of Sawah has sustainable productivity equivalent to 10-15 ha of upland fields (Sawah hypotheses).